救急搬送され、病院に着いたのは夜中の13時前だった。
救急搬送室の前のベンチに座っていると、看護師さんや救急隊の人などが
せわしない足取りで出たり、入ったりしていく。
すると一人の医師が近づいてきた。
ついさっきまで仮眠をとっていたことが、ボサボサ頭からすぐわかる。
その後もお世話になるW先生。
厳しい顔でそばまでくると、
「○○さんのご家族ですか。」
「・・・はい。」
書類を見ながら、早口に病状の説明をされる。
「・・・急性心筋梗塞です。非常に危険な状態、命にかかわる緊急を要する状態です。
これからすぐにカテーテル手術を行います。同意していただけますか。」
「はい」という言葉以外なにも出てこなかった・・・
そこからはどんどん進んでいく。救急搬送室から地下の 室に移動される。
看護師さんに指示され、 室前で待っていると
担架に乗せられた相方が運ばれてきた。意識はしっかりとあり、私と軽く目が合った。
W先生は「では、しばらくそちらでお待ちください」そう言って、お辞儀をして
室に入っていった。
それが14時少し前。119番を電話をしてから1時間が過ぎていた。
静まりかえった真っ暗な病院の廊下。非常口の緑の明かりだけがまぶしい。
スマホで「心筋梗塞」を調べようとしても、なかなかネットがつながらない。
意味もなく廊下を端から端まで歩いてみる。
歩きながら、相方と知り合ってからの21年という時間を重く、重く感じていた。
そして、あと数時間後に訪れるであろう答えを聞くことの怖ろしさに押しつぶされそうになっていた。
あとからわかったことだが、心筋梗塞とは、
発症からの搬送、またカテーテル手術までの時間が生死を大きく分ける。
参考のために、今の現状をまとめておく。